2008年6月13日金曜日

オーガニックコスメの話

今回はなぜかオーガニックコスメの話。
ドイツやフランスあたりではずいぶん定着しているらしいオーガニックコスメ。イタリアでも薬局などに行くとそれらしきものを見かけますが手にとったことは皆無。

そんな私がオーガニックコスメを知ったのはやはりお友達のおかげでございます。
Druideというカナダ発のオーガニックコスメブランドの、イタリア支社に転職した彼女。「すごくいいわよ」と言うので「じゃーサンプルちょうだい」とあつかましくも言い放つとその場で「ちょっと待ってて」と車のトランクを開けて、これでもかと言う種類のサンプルをくださったのでした。

オンラインでも購入できるので、まずはオーガニックコスメってどんなもので、どんなブランドがあるかのチェック…。原料には植物由来のものしか使っていない、と言うのが大筋。パラベンの使用不使用には賛否両論あるようですが、ここではパラベンも不使用。ふむふむ、フランスなんかだと、エコ・サーティフィケイトやらビオ認定証なんかの制度があって、こうした認定を受けているものがほとんど。

なるほどねー。感心しながらサンプルのひとつのシャワージェルを試したら、なんだか温泉に行って肩まで浸かったような、ほぐれるやさしさ。これかー。
でも中でも気に入ったのがSanta Verdeというドイツのブランドの、アロエクリームのサンプル。
一番こってりしているテクスチャのものははっきり言って「木工ボンド?」ってなくらいべっとりだけど、一晩寝ると…効いてる!9割以上がアロエ成分という配合に驚くとともに、納得。栽培、収穫、加工を全て自社で行っているというなんだか手作業な感覚がこの高エキスを実現させているのかも。

最近は日本のamazonのコスメにもオーガニックが出始めたし、トリノのエステサロンでも需要は高まってるみたい。エコ、ビオ、オーガニックって流行りモノ、である部分もあるし余りそっちに傾倒するのも趣味じゃないけれど(でもコンセントはこまめに抜いてますよ)、まあ毎日使うものだし、気に入ったのであればいいかな、なんて。

で、結局このSanta Verdeの洗顔、ローション、クリームでそろえちゃいました。
スプレー式のローション(写真)、これ、バラの香りでお気に入り。
洗顔はアイメイクとかは落ち辛いけれど、アップルジュース配合の香りのよさに…毎回味見したくなるのを我慢してます。

ただ、Santa Verde製品はまだトリノでは手に入らないというのが一番の難点。(販促ガンバレ>友達)
Druideはクロチェッタの薬局、レ・グルのBIO BOTTEGAにて購入可能です。

2008年6月9日月曜日

『停電の夜』ジュンパ・ラヒリ

日本語の本からだけは離れられないので、本だけは日本から買ってます。
て、日本以外のどこで買うのさ。
と、日本語読者数って英語なんかとは違って日本人口とほぼ等しいのよねー、出版界は不況ってずーっと言われてるけど(今もなの?)でも、それなりの売り上げがあるってことは、まだ恵まれてるんじゃないの、などと思いながら、今回は翻訳モノを手に取ったのでした。

その翻訳モノとは、憧れのクレスト・ブックス。
まさに珠玉のといった作品が読めるので大好きなのですが、自分で買ったのは今回が初。
今までのは頂戴したもので、『朗読者』、『アンジェラの灰』を持っていますが、どちらも本当にいい作品。
子供のころ、月一で子供向けの本が届くというのがあって、毎月楽しみにしていたのだけど、このクレスト・ブックスの本が毎月届いたらどんなによいか、と今回膨大なコレクションの中から選び出す最中にそんなことをふと思ったくらいです。

で、購入したのは『停電の夜に』と『イラクサ』。
停電の夜に、のタイトル作品しかまだ読んでいないけど、さすがに絶賛されるだけあって、すばらしい。数十ページでこの世界を作り出せるというのが、小説の醍醐味。
装丁もきれい。
作者もすごい美人。
本を読む時間というのは本当に特別で、特にこういったいい作品に会えると、かかった送料の恨みも吹き飛ぶし、ほんとうにうれしくなります。

イタリア語にも翻訳されてたりするのかな。
と思って調べたらありました。
逆に、今年出たばかりの作品はイタリア語ですでに"Una nuova terra"のタイトルで翻訳が出ているけど、日本語訳はまだみたい。
英語の原作の本を、日本語訳で読むか、イタリア語訳で読むか。イタリア語にはますますフィルターがかかって、だけど、読中、読後に残る本質みたいなものは変わらないんだろうな、とも思うから、小説って、やっぱり不思議。

2008年6月8日日曜日

Il Divo カンヌ審査員賞受賞


大復活と銘打った手前、最近のニュースを。
最近と行っても少々トウが立ってきてますかね。
カンヌ映画祭で審査員賞を受賞した、ソレンティーノ監督のIl Divoです。

ソレンティーノ監督といえば、ずいぶん前にMTVのコマーシャルの合間にやっている映画のトレーラーを見て「これじゃ!」と見込んだLe conseguenze dell' amore(邦題「愛の果てへの旅」)が非常に気に入っていたので、受賞を聞いたときにはGomorraよりも、断然こちらのほうが気になったのでした。
しかも、主演も同じトニ・セルヴィッロ!
行かないわけがありません、私。

で、公開になった最初に金曜日に早速映画館へ。
週末の初回(20時台)って人いないor若年層少なし。
しかも、今回のIl Divoはバリバリ政治色の高いものなので、周りは白髪頭の人だらけでした。
けど気にしない気にしない。

主人公はトニ扮するアンドレオッティ。50年代よりイタリア政界の重鎮とされる彼を、まだ40前の若い監督が扱うには難易度の高いテーマだと思うのだけど、よく思い切りました。
アンドレオッティ…日本で言うと、田中角栄。もっとかな。
こちらはまだご存命というところも意味的にはずいぶん違うと思うし。

映画自体は、戦後のイタリア政界事件、マフィアとの癒着など暗い部分が中心。
これらの事件とアンドレオッティのかかわり、というのではなくて、戦後の政界の事件が全て彼につながっているのが前提というのが、日本の政治家の誰とも似ていないトコロかしら。
ただ、内容的には平均的イタリア人の認識、を映画に仕上げたというテイストで、特に新たな展開や説を出しているわけではありません。

だけどというか、だからというか、イタリアの近代史、政治が分からないとはっきり言って付いていくのは難しい!たとえるなら、矢作さんの「あ・じゃぱん」を外国人が読むくらいに難しい。て、私にもわかりませんでしたけどね、あ・じゃぱん。
時々出てくるアルド・モロなんて、知らなかったらただのジャージ姿のおっさんだもん。
私はどういうわけか、このモロ事件(当時のトップ政治家が極右翼グループに誘拐拉致され、殺害されるという80年代の事件)というのは興味があって、ちょっと知ってたけどサ。

主演のセルヴィッロ。
あの人を喰った演技がすきだなー。
いい俳優だ、と、余り演技のこととか分かりませんが、今回も思っちゃいました。
アンドレオッティ本人に似せなくちゃいけないので、所作の演技が過剰かというところも無きにしも非ずですが(確かに本人は今でもテレビには割とでているので、興ざめなぶぶんもあるかもしれない)、一度口を開くと非常に達者な切れ者であるところを窺わせる所作、「dio lo sa e anche io lo so」で締めくくられる長台詞がよかったです。

と、日本公開になったとしても集客率の悪そうな政治色一色の映画ですが、もし公開になったら、あるいは来年のイタリア映画サイあたりで上映するのであれば、この長台詞を聞きに行ってみてください。

復活?昼のパスタは茹ですぎ

お久しぶりです。
雨続きのトリノですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
トリノ生活を開設してはや9年目(ひえー)、日記の形からブログに浮気をしてそのまま放置2年という経過をたどってきたこのコーナーですが、10周年を前に再び(何度目だ)大復活したいと思い心機一転、Blogger.comにて開始する意気込みだけ何とか表明させていただきたいと思います。

昔は残業100時間(もちろん決算期だけですよ)してても、日記だけは更新していたhtmlオタクだった私。
最近はタグ打ちもめんどーだしなー、という心境で放置に磨きのかかる日々が過ぎております。

ま、何日続くか分かりませんが、まずは大復活(この台詞も何度書いたことか)のご報告まで。